第一回 アイデアソン ~水産加工現場をハックする~実施報告

コンテンツ

(1)概要

名 称 2018岩手大船渡 「第1回アイデアソン〜水産加工現場をハックする」
期 間 2018年 9月 15日  ~  2018年  9月 16日(2日間)
参加者 男性 16名 / 女性 3名 (現地参加者含む)
場 所 工場見学:大船渡食品 ,ヒアリング会・アイデアソン開催:大船渡テレワークセンター
概 要 大船渡の水産加工現場の課題を吸い上げ、それらの解決を図る為にアイデアソンを開催。
提案されたアイデアを基に、出来る形を模索し、仕様などに落とし込んで、シビックテック大船渡が開発や実証実験を行ってゆく。

(2)報告事項

内  容

■1日目

大船渡の水産加工現場の課題収集の為、現地視察として「大船渡食品」の工場内の見学や意見を伺う機会を設けた。
工場内の見学では水揚げされたサンマが大きさごとに仕分けされるラインの現場や冷凍技術の確認、また魚を原材料とした加工食品を作る現場ではサンマを開いて粉を振ったり、着色料をつけたりするライン、またそこから箱詰めし、郵送できる形にもっていくまでの流れを確認した。
その後、工場内の食堂において参加者から大畠工場長へ直接質問する機会を設けた。
そちらでの主な話としては、大船渡食品ではイスラム教の国々に向けた商品開発や工場の体制を整備しつつあること。大船渡食品の工場では高卒者も毎年採用しているので若手が多く、平均年齢も30代程度であるが、別の会社…大船渡の水産加工現場の多くは若者の働き手がいない、平均年齢が40後半以上になっているであろうということ。そして2年分もの原材料を備蓄している事で原材料不足へのリスク対策をしている事や、現在多くとれる魚を活用して商品開発を行っていること(数品種だけ取り扱っていた会社を例に出して)などを挙げられていた。

工場見学後は大船渡テレワークセンターに移動し、同じく大船渡市内の水産加工業者である国洋の濱田社長に来所頂き、参加者とのヒアリング会を実施した。
濱田社長からは、従来イカを中心にした加工品の製造を行ってきたが、近年の不漁のために昨年から冷凍の野菜の天ぷらに移行して対処してきたなどの現況についてお話をいただき、活発な質疑が行われた。また、既存で活用されていない水産資源の有効な活用についても検討がされていて、アミエビなど現在あまり有効に活用されていない産物の健康食材化などの検討もされている。

以上、見学とヒアリングという課題を掴むという所で1日目は終了。

■2日目

朝9時に大船渡テレワークセンターへ集合。
Eyes, JAPAN社長の山寺氏にファシリテーターを依頼し、アイデアソンを開始。

まずは山寺氏による1日目の振り返りが行われ、その後1日目に挙げられた現場の意見などを元に、参加者それぞれが感じた課題を付箋に書き出す形で抽出した。そしてその抽出された課題をホワイトボードに貼り出し、全員で共有。
共有された課題を確認しながら、それぞれが気になる課題に投票的に印をつけていき、印が多いものを数点抜き出し、その付箋記載者がそれを書いた理由を発表。
その書かれた課題や聞いた理由を元に、自分が解決したいと思う課題に挙手してもらう形でグループ分けを行うという流れで進行され、その後グループごとに部屋やテーブルを分けたところで午前中は終了。

 

全部で5チーム。どのチームも白熱した議論を交わし合いながら、15時の発表会に向けてまとめ上げていた。

15時からの発表ではそれぞれのチームのテーマ、「水産資源」・「システム化」・「ブランド化」・「若者が楽しめる」・「その他」という観点からそれぞれのアイデア(詳細は下の欄に記載)が発表され、発表後は株式会社地域活性化総合研究所の福山より総評が述べられ、終了。

 

発表内容の概要

(1) ブランド化×高付加価値 チーム(小林・紺野・佐藤)

【課題意識】
「現在大船渡としてはサンマを一番に推して「サンマの街」というイメージ戦略をとっているが、もっと別なものを取り上げていっても良いのではないか?」

【案】
・サンマ以外に何が考えられるか。ポイントとして考えたのは…以下の理由からウニが良いのではないか。
① 「外国人の認知度が高い」→ #UNIの投稿件数632万件
②  「少量で高価値」 → 約180グラムで2000円~
・ゴミとして捨てられている物を活用したい。海にはひと手間加えれば芸術品に成り得るものが結構ある。
→ウニの殻やホヤの殻などをプランターやランプ・風鈴などに使えるのでは。
そういった所から「海洋芸術の聖地化」を図ってブランド化させる。

【まとめ】
大船渡には低コストでブランド化に繋げられるものがあるので発掘してブランド化を図ろう!

(2)若者が楽しめる・魅力を感じるような大船渡にする チーム

(ウイリアム・ケニー・上野・高橋・村岡)

【課題意識】
「大船渡の水産加工現場では若者の働き手が少ない。それは仕事的な面での理由もあるが、そもそも大船渡で楽しめない、魅力が無いからなのではないか」

【案】
・娯楽施設を増やす、ノマドワーカーが働きやすい環境を作る、スタートアップ支援の場を作るといった
アイデアが出つつ、特に「人材育成の場を作る」事をポイントとして考えた
子供達が集まってコミュニケーションが取れる場所が良いのでは…「ボードゲームができる場所」
→職業体験ができるボードゲーム、実際の職員も一緒にプレイし、終了後仕事の話を展開することで
「学び」を得れるようにする。
メリットとしては「職業体験と働く大人との触れ合い」・「子供達のネットワーク形成」・「空き施設の有効
利用」が挙げられる。

【まとめ】
この地域には人材がいないという話の流れから、知識や体験を通じた職業を学べる場所、そしてスキルを身につけられる場所を楽しみながらできるように考えた。こういった事を通じて、地元の若者が定住していくようになるのではないか。

(3)自動化・効率化・ロジスティック チーム

(竹花・坂口・瀬音)

【課題意識】
「大船渡の水産加工現場での効率化を図る、漁獲量が不安定という課題、最適な配置を探る」

【案】
① 加工ラインのモジュール化
一体化している製造ライン・機械類を分割化する事で「メンテナンス」・「新しい機械の導入」・「開発のしやすさ」・「組み合わせの多様化」においてメリットがあるのではないか。例として違う魚でも同じ大きさで切り分ける機械がある事で、大きさが一定であればその後の工程が使いまわせるようになる等。
→一方で、「インターフェースが発達しにくい」・「(大きな魚は)無駄が生じる」というデメリットも発生することが懸念される。

② 漁獲量予報
スマートブイを応用して使ったり、船にセンサーを付け、船の位置情報や漁師からのヒアリング、水質、風向き、天気、水温等といったデータを集めてAIで予測し、魚群がありそうなところをマッピング。そういったもので漁獲量予想をして、加工業者などにデータを提供する事で対応できるように。

③ 工場内のシステム化
‐50℃の冷凍室に入っての作業や、工場内でのヒヤリハット防止のために、フォークリフトの自動運転化を図る。また配置のアルゴリズムなどを取り入れての最適化を図る。

【まとめ】
ITの活用や従来の考え方をチェンジしながら効率化を図りたい。

(4)水産資源をどうするか チーム (園田・石井)

【課題意識】
「オキアミの活用が進めたいが事例や研究がほとんどないという意見があったが、実際は1980年代から行われている。そういったものが『ある事が分からない/見たけど分からない』を何とかしたい」
「漁獲高の少ない不安定な魚は商売に出来ないことは何とかならないのか、仕掛けるとしても大掛かりになってしまう」

【案】
① スマートスピーカーの活用
魚について尋ねると、『学術サイト』・『県の水産技術センター(各地)』・『外国の論文(自動翻訳)』を探し、そこからキーワードごとに『いる』のか『いらない』のかの情報選択が簡単にでき、論文の内容を簡易なものに要約させ(deep learningの活用)、音声で読み上げてくれて(2~3分程度)、本文を平易化させる。(背景/結果/考察を先に出す)

② 面白い名前の力を使おう
その魚や部位の名前をそのままにして商品化させるのではなく、その商品の特徴や形の良いイメージと、デメリット的な要素や概念を連想させない元とは遠いイメージの言葉をシステムがいくつか生成してくれる。それらの中でSNS等にて多く使われるようになった言葉が残っていく。そういった所から波を作り、
メディアなどに取り上げてもらうようにすることで、大掛かりにしなくとも地元の腰が重い漁師などを動かすきっかけとしていけば良いのではないか。

(5)キャンプの聖地化 チーム (小川・松留・南野・青木・及川・白澤)

【課題意識】
「大船渡に新しい人が来てほしい/知ってほしいが、交通の便があまり良くないという課題があるの
でそれを逆手に取りたいのと空き地の利活用を図りたい」

【案】
・キャンピングカーのりつけてのキャンプの聖地化計画
→キャンピングカー持っている方は「お金持ち、発信力や行動力ある人、ファミリー」。
そこをターゲットにした案を考えたい。

① 何を用意したら来てくれるか
・高知県での事例を参考に事由に停められる場所の設定・インフラ整備を行い、情報を発信していく。
IT化が弱いのであれば紙媒体等を市役所等で配布を検討。
・BBQの食材を買える場所の案内や、機材などのセッティングをやってくれる場所の設定

② メリット
・初期投資が少ない事
・今あるものの有効活用

【質問・参考意見等】

…これらを通しながらコンテンツを増やして魅力的な街へとしていく事、また水産加工食品を食べて
もらう事に繋げて、消費の増加へと導いていきたい。
…懸念点は治安が悪くなるという所が考えられる。対策としては管理者をつけるという案、airbnbの様な
評価がされるという案などを考えている。
…シタボ商店でのBBQのように現時点で良いもの出している所への送客も考えてみても良いのでは。